[横笛]赤尾三千子の世界
「万葉の歌 薄墨ー義経の笛」
日時
10月21日(日)
開場13:00 開演13:30
会場
談山神社
内容
鉄舟寺に伝わる義経所持「薄墨の笛」が、大和の地で832年ぶりに平安の妙音を奏でる。
談山神社は677年、藤原鎌足の長男で僧侶の定慧により、父鎌足の廟所として創建され神仏習合の形で多武峰妙楽寺という天台宗の寺院として盛衰を繰り返しきしましたが、明治維新の神仏分離令によって神社として残り、現在に至っています。
そんな由緒ある談山神社に、源義経が、兄頼朝の追討軍からの逃避行の途中に訪れていたのです。鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』には「文治元年十一月廿二日辛丑。豫州吉野山の深雪を凌ぎ、潜かに多武峰へ向かう。是、大織冠の御影に祈請srむが為云々」とあり、行く末を案じ、大織冠藤原鎌足の御影に祈る一行を、十字坊という僧侶が匿い、丁重にもてなしたそうです。その折に義経が笛を携えていたか否かは想像の域を出ませんが、この地で800年以上の時を経て、義経ゆかりの龍笛の音声が響き渡ることは大変意義深いことではないでしょうか。
静岡県静岡市にある鉄舟寺には、源義経が寄進したと伝わる「薄墨の笛」が寺宝として所蔵されています。
この笛の由来は、鉄舟寺の前身、久能寺の『久能寺縁起』に「源九郎判官義経、末代の重寶の為に薄墨と云ふ笛御寄進有るなり」とあり、『駿河國新風土記』には「源義経所持、薄墨の笛、蝉なし、中村式部少輔再興、笛の頭に金にて村の字を置けり云々」と、戦国時代に駿河の大名だった中村一氏が薄墨の笛を補修したという件が記され、実際に笛の頭に「村」の文字が象嵌されております。
また『浄瑠璃物語』では、義経の笛を「蝉折」と称したり、謡曲『橋弁慶』では「虫喰い」といっていたり、薄墨の笛の装飾の部分が抉れたように無くなっている特徴と一致しており『平家物語』の中で鳥羽上皇が宋の皇帝から返礼品として贈られた竹で作らせた「蝉折」である可能性もあります。薄墨の笛は、静岡市の指定文化財に登録されていますが、許可が下りれば演奏する事が可能となっております。薄墨の笛の真骨頂はなんといってもその音にあります。一度お聴きいただいたなら、なるほど義経の笛だと納得していただけることでしょう。
談山神社権殿で、薄墨の笛がどのような音を響かせてくれるか、とても楽しみです。この稀有な名笛の音の響きを、ひとりでも多くの方に聴いていただければと思います。
料金
5,000円(拝観料含む)
TEL
瀬川
090-8128-6932
住所
桜井市多武峰319
主催
赤尾三千子事務所
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